夏は冷房負荷が増えてしまうのではないでしょうか?
【ご質問】
夏季についてですが、半年後に夏の地中温度が上がり冷房負荷が増えてしまうのではないでしょうか。
(回答)
これはよくあるご質問です。
特に、冬季は床下地中温度が最初の数年は年々実感するほど上がってきますので、夏の床下地中温度も年々上がるのではないかと思われるようです。
冬季に床下地中温度が上がるのは、半年前の夏の熱を持ち越して床下地中が熱のプールになるためです。夏季は反対に冬の冷熱を持ち越して床下地中が冷熱のプールになります。
それで夏は冷房が必要でなくなり、エアコンは除湿器として稼動させるだけになるのです。
それでも、冬の地中温度が年々高くなる傾向があることから、それを持ち越して夏の地中温度もあがってくるのではないかとご心配なさる方があるようです
それで、下記のグラフを作成しました。
このデータも、千葉県八千代市のS邸のものです。
7月と8月だけの平均温度を、2002年から2009年までの経過を追いました。
居間温度も床下地中温度も外気温の影響は見られますが、上がってきているようにはみえません。
グリーンの太い線にご注目ください。
これは、居間の温度から床下―1mの温度をひいた差です。メモリは右側にあります。
2003年だけは外気温が落ち込んでいますから別ですが、右下がりになっている傾向がうかがえます。
つまり、室温と床下地中温度の差が年々少なくなっているのです。室温と地中温度が近づいている。建物と地中とが一体になろうとしているのです。室温が低温の地中温度に近づいているのです。
エアコン消費電力量(7月と8月の2ヶ月の消費電力)は、2002年384kWhで297・447・391・320・334・367と続き、2009年が341 kWhとなっています。