【夏を快適にすごすグッズ】
高断熱・高気密住宅に住んでいる方が、インターネット掲示板などに書き込んでいる問題点として【夏、室内が暑くなる】という現象があります。
寒冷地における「冬 寒くない家」を原点として発達した高断熱・高気密住宅においては、家の中の熱が外に逃げにくいのです。
そのため、夏になると「室内が暑くなるのですが・・・・・」というご不満を訴える方が多くなってきます。
原因は「太陽光」です。西日対策が十分でないと、このように「夏は暑い高断熱・高気密住宅」という間違ったイメージが定着してしまいます。
(一般住宅においても、同様に、太陽光対策をした方がはるかに快適になります。)
特に、高断熱・高気密住宅の場合、原理としては、少しの冷房(もしくはドライ運転)で家全体が快適になるのですが、その分、ちょっとの日射が入り込むだけで、一般住宅以上に、「夏暑い!」という不満につながってしまいます。
【群馬県太田市が建築したスーパーエコハウス】について
群馬県太田市が「市民」と「未来の地球」のために建築した「スーパーエコハウス」について、千葉県内の役所の方からお問い合わせをいただきました。
電話でもお伝えしましたが、間違って伝わるといけないので、あらためてここに報告させていただきます。
今回の投稿は、「公共施設の省エネ化を検討されている全国の市町村担当者の方」向けの内容です。
写真は「群馬県太田市が建てた【スーパーエコハウス】の写真」です。
これは【群馬県太田市 平成16年度「環境と経済の好循環のまちモデル事業」】によって建てられた公共施設です。
関係者の一覧は下記をクリックしてご覧ください。
1)群馬県太田市「環境と経済の好循環のまちモデル事業」
2)光と風の研究所
3)地中熱利用の技術供与:【外断熱の地熱住宅】エコホームズ
4)構造体:株式会社シェルター(KES工法)
5)太陽熱を温風に変換するソーラーウォールの供与:ロゴスシステムズ社
スーパーエコハウスに関する先端技術については、下記をクリックしてご覧ください。
スーパーエコハウスに採用された技術の中で【地中熱利用+ソーラーウォールによる強化】は私達が提案したものです。
今までも、下記のように、「地中熱利用住宅」にソーラーウォールを設置していました。
(下記の写真をご覧ください)
今回は、さらに改良を加えた設置方法を提案しました。
【壁体内結露はなぜ発生するのか?】
【壁体内結露】(壁の中で結露が発生すること)によって構造体(木材)が腐ってしまうと、地震に対する強度が落ちてしまう可能性があることを以前投稿しました。
→【木造3階建】
今回は【壁体内結露】が発生してしまうメカニズムです。
住宅に断熱材を施工する際、基本は「断熱材の部屋側/内側に水蒸気を通さない層(バーパーバリア)をしっかりと設置すること」です。
このベーパーバリアがきっちりと施工してあれば、内断熱であっても壁の中に結露が発生することはありません。理論的にはそうなのです。
ところが、実際に建築現場で見学されるとよくわかるのですが、内断熱の場合、下記の部分でベーパーバリアがうまく施工できないことがあります。
●コンセントボックス
●水道管などの配管まわり
また、施工マニュアルに規定されている断熱材の設置方法が守られていない場合もあります。
すると、下記の図のように、断熱材の中に部屋の湿気が入り込みます。
内断熱の場合、断熱材の中で温度が変化するため、断熱材の中で結露が発生してしまいます。これが【壁体内結露】です。
*下記の写真は、断熱材の中で結露が発生し、そしてカビが生えています。
なぜ?外断熱工法だと家が長生きするのか???
みなさんからよくいただく御質問の中で、最も多いのが
「外断熱工法にすると、なぜ?住宅の寿命が長くなるのですか?」
今回は「なぜ?外断熱工法だと構造材が長持ちするのか?」について御説明します。
1990年に、千葉県で初めて「外断熱工法」を取り入れた目的は「長持ちする家造り」を実現するためです。長持ちする家造りを実現する(目的)ためには、日本の伝統的民家の知恵を活かすことを積極的に考えました。
日本だけではなく、世界各地において、木造住宅は「非常に長い寿命を保てる」のです。
例えば;
気密その1 気密住宅とは?
隙間が少ない※住宅のことを「気密住宅」と呼びます。(※詳しい数値はその2で...。) 「住宅の気密化」とは室内と外を区切っている「壁」や「窓」や「屋根」などの面にある隙間を少なくすることです。住宅を中途半端に気密化すると様々な悪影響を及ぼします。住宅にはしっかりとした気密化が必要なのです。 |
気密その2 気密性能値「C値」とは?
日本では気密性能値を「C値(シーち)」(相当隙間面積)で表します。 住宅の室内と外を区切っている「壁」や「窓」や「屋根」などの面にある隙間の面積(cm2)を測り※(※前号の「その3」をご参照ください。)、延床面積(m2)で割ったものがC値(相当隙間面積)(cm2/m2)です。つまり、床面積1m2あたりに隙間がどれ位あるかを表したものです。 |
気密その3 気密測定試験とは?
住宅の隙間の面積を測る検査です。 住宅の室内と外を区切っている「壁」や「窓」や「屋根」などの面にある隙間の面積を測ります。『気密測定機』という機械を使って測定します。 |
壁の中に空気が流れるので、収納空間にも通気ができます。
【外断熱工法】を採用する理由の一つとして「壁の中の通気」があります。
構造材を外側から板状の断熱材で覆うので、外壁面の壁内には空洞ができます。
そこに空気の流れを作る事が、「構造材=木材」が呼吸できる工夫でもあります。
本来、木材は吸放湿性に優れた素材であり(呼吸する状態)、呼吸をしていれば簡単に腐ることにはなりません。これが構造材の強度を長期間保持することになります。
家全体の空気の流れをご覧ください(↓)
(画像をクリックすると拡大表示されます)
【高気密住宅にするための秘訣】
私達が「外断熱工法」を採用している理由は二つあります。
1)構造体を外側からすっぽりと断熱するので、内断熱の欠点である「断熱欠損」(構造体:木材の部分が断熱されないこと)がありません。
2)壁の中に空気が流れるようになります。
(内断熱=充填断熱では、壁の中に断熱材を詰め込むので、空気がながれません。)
構造材:木材の周りを空気が流れるので、木が長持ちします。
外断熱工法を採用する場合、「高気密住宅」は絶対条件です。
なぜ?高気密住宅でないといけないのか。詳しい内容はこちら(↓)をご覧ください。
私達が「高気密住宅」にするための工夫をご覧ください(↓)
外断熱工法の外壁はずれ落ちませんか?
【御質問】
外断熱工法の外壁はずれ落ちませんか?
かつて外断熱工法は内断熱工法のメーカーから「外壁がずれ落ちる」などと言われました。
それは外断熱工法が発泡系の断熱やわらかい材を挟んで外壁を止めつけなければならないためです。
しかし、外断熱工法では胴縁を径の太い専用のビス(断熱パネルビス)で止めつけます。「外壁材の下がりの許容量を1mm以下」と厳しく計算してみてもかなりの重量の外壁材も大丈夫です。