解説【外断熱住宅のデメリット】とは? (その1 全般的なデメリットについて)

siroari00014.jpg *この内容は、一般の方向けには書かれていません。建設業界関係者向けの内容です。

これから、新たに【外断熱住宅】に取り組みたいと考えているあなたに質問です。

「なぜ? 外断熱工法を導入しようと考えたのですか?」

正直に答えてくださいよ。(と言っても、私に直接電話などしてこないでくださいね。お願いします)

・お客様から「外断熱工法で建てたい」と言われたから。
・高断熱/高気密住宅といえば、なんとなく外断熱住宅というイメージだから。
・「外断熱住宅」と言えば、それだけで売れそうだから。
・地元の競合他社が外断熱工法を始めたから。
・外断熱工法に関する本を読んで感銘をうけたから。
・これからの時代に乗り遅れないために。

などなど、いろいろな動機があると思います。
どんな動機でも良いのです。重要なのは、「新しい事に取り組む事」であって、その動機について、正しい/正しくないはありません。ですから、どうぞ、私達と一緒に「外断熱工法」に取り組んでくださいね!

と、私から甘い言葉で囁かれても、すぐに「はい!」と返事してはいけません。

外断熱住宅だけではなく、高断熱・高気密住宅に真剣に取り組むと、ドンドンと「デメリット」にぶつかって、後から後から難問くん達に訪問されてしまいます。
安易に、外断熱工法に取り組んでしまったばかりに、「お施主様からのクレームの嵐」にノイローゼになる可能性があります。

実際、1999年ごろに、この業界(外断熱住宅)に踏み込んだ私は、訪問する先々(お施主様宅)でクレームばかりを頂戴しておりました。
「お施主様宅を訪問したくないシンドローム」を発症してしまったわけです。

だって、うかがう先々で必ず言われるのです。

「この家は暑い! 夏は涼しい家だって説明されていたけど、暑くて暑くて・・・! どうしてくれるんだ!」

当時、私は外断熱住宅には住んでいませんでした。マンション暮らしでした。
外断熱住宅に住んだ事も無いのに、「外断熱住宅は良いですよ~」と説明していたのです。理論的にはわかっていても、まさに口先男だったわけです。

さて、これから外断熱住宅に取り組もうと考えているアナタに、まず知っておいて欲しい事があります。(いままで、従来の住宅しか建てていなかった方にとって、極めて重要な情報ですよ)
それは、【外断熱住宅のデメリット】です。まずは、全般的なデメリットから記述していきましょう。
(それぞれの解説な、また別に説明していきます)

〇【外断熱住宅のデメリット】とは?

1)日射遮蔽を十分におこなわないと、夏は極めて暑くなる。

2)24時間換気システムは、その仕組みをよくよく考えて設置しないと、かえって、室内の温熱環境を悪化させる。

3)家の中で音が反響する。間取りによっては、家族をノイローゼにさせる。

4)プランニングの際、周囲の住宅状況を精査しないと、お施主様が住み始めてから、不快な状況を発生させる。

5)工期が長くなる。また、「断熱材の紫外線対策」(保管時及び施工後)という今まで経験した事が無い問題に悩まされる。

6)シロアリ対策は、従来の方法では役に立たない。住んでいる人を病気にさせてしまう事もありえる。

7)基礎を断熱すると、梅雨から夏にかけて、床下の相対湿度があがり、カビ臭い家にしてしまう。

他にも細かい点で「引き渡し後の問題を発生させる」原因が内包されています。
これから、それぞれについて、詳しく解説していきましょう。