【地熱リフォーム:壁編】 壁の高断熱化が重要です!
【地熱リフォーム(エコリフォーム+地中熱利用システム)】において、最も重要な部分、それは【屋根】と【壁】と【基礎】の断熱です。
今回は【壁の断熱】がどうして重要なのかについてご説明します。
*なお、【屋根の断熱】については、下記をクリックしてご参照ください(↓)
○【地熱リフォーム:屋根編】 屋根の高断熱化が重要です!
「既存住宅(中古住宅)をエコリフォームする」と聞くと、すぐに思い浮かべるのが「壁の断熱強化」ですね。
単に、断熱強化するだけであれば、家の中側から、内装材を撤去して、壁の中にグラスウールなどの柔らかな断熱材を入れれば、それで「断熱強化」は完了です。
実際、ほとんどの建築会社がおこなうエコリフォームにおいては、「壁の断熱強化」は、その方法で実施しています。
しかし、「壁の断熱強化」をおこなう際、忘れてはならないのが「壁の気密性強化」と「窓の断熱強化」です。
「壁の気密性強化」とは、簡単に説明すると、「すきま風対策」です。「すきま風対策」を、もしもしなかった場合、費用をかけて「壁の断熱強化」をおこなっても効果がかなり落ちてしまいます。
この「すきま風対策」は、壁部分だけの気密性強化では不十分でして、同時に、「窓の気密性強化」が必須となります。
そして、上述しました「窓の断熱性強化」と「窓の気密性強化」を最も簡単におこなうのが「2重サッシ化(既存の窓にもう一つ窓を設置します。内窓など)」です。
【参考情報】
○エコリフォームの基本、それは窓の断熱強化です!
つまり、【壁の断熱強化】とは、「壁部分の断熱・気密強化」と「窓部分の断熱・気密強化」の両方をおこなう必要があるのです。
ところで、既存住宅において「壁部分の断熱・気密強化」をおこなう場合、工事の関係上、【外壁】と【内装】が関連してきます。どちらかを撤去しない限り、既存住宅では「壁部分の断熱・気密強化」をする事ができません。
そこで、【外壁】と【内装】をどう処理するのかによって分類した「壁部分の断熱・気密強化」について解説します。
★「壁部分の断熱・気密強化」の方法について★
1)外壁材及び内装材の劣化が激しい場合、もしくは外壁材のみの劣化が激しい場合:
・素材にもよりますが、外壁材の劣化が激しい場合、外壁材を撤去して、外側から板状の断熱材を貼るのが良いです。
・その際、構造材の状態が良ければ(外壁材を撤去してからでないと確認できませんが)、構造材の外側に板状の断熱材を施工していきます。
しかし、構造材が大きく変形している場合、板状の断熱材と構造材の間に隙間ができてしまいます。これでは「高気密化」できません。
・そこで、まずは構造材の外側に板材を張っていきます。断熱材に比べて板材の方が薄いため、隙間を調整しながら張っていく事が可能です。
この板材は、できれば、水蒸気を通さない性質をもった素材にします。ベーバーバリアの役目もはたすからです。
私たちが使っているのは「サーモプライ」という素材です。
【参考情報】
●【高気密住宅にするための秘訣】
・断熱工事が終了したら、その外側から外壁材を施工していきます。
★上記/写真は、長野県長野市で地熱リフォームを多数手がけている「タイガハウス」(大賀)の施工事例から抜粋しました。
2)外壁材の状態が良く(継続的にメンテナンスされている状態)、内装材の劣化が激しい場合
・ほんの数年前に内装を張り替えたばかりなど、家の内部に全く問題が無い場合、上記1)のように「家の外から断熱強化をおこなう」方法が良いのですが、逆に、ほんのちょっと前に「外壁塗装」などをおこなっていて、まだまだ、外壁材が十分に長持ちする場合、その外壁材を全て撤去して、上記1)の工事を行うのはかなりモッタイナイですね。
・そんな場合、内装部分をはがして、家の内部から断熱工事をおこないます。
従来の方法(壁の中にグラスウールなどの繊維状の断熱材を詰めていく方法)でも良いのですが、壁部分の気密性を強化するには、ウレタンを発泡させる断熱方法が良いと思います。
・壁からはみ出る部分はカットして、その上から内装工事をおこなっていきます。
【参考情報】
●中古住宅を「高断熱・高気密住宅」へ変身させる!(省エネリフォーム工事)
上記の2つの断熱方法が代表的な事例です。
なお、もう一つ方法があります。
それは、既存の外壁材の外側から板状の断熱材をはっていく方法です。
主に、ツーバイフォー住宅において、外壁材等の状態によって、この方法をおこなう場合があります。
3)ツーバイフォーの場合:既存の外壁材の外側から板状の断熱材をはっていきます。
・ツーバイフォーの場合、既存の外壁材の状態が悪くなければ、外壁材の外側から断熱材をはっていきます。その際、断熱性能が高い「フェノールフォーム」系板状断熱材を使用します。
・ポリスチレンフォーム系板状断熱材よりもフェノールフォーム系板状断熱材の方が断熱性能が高いため、同等の断熱性能でも、断熱材の厚さを薄くできます。
・「既存の外壁材」の外側に、フェノールフォーム系板状断熱材を通気胴縁によってとめていきます。
・通気胴縁の外側から板状の外壁材(サイディング材)を施工していきます。
・この場合、外側の外壁材面にあわせてサッシを付ける場合(外側にサッシを付けて、2重サッシ化します)と、内側に付ける場合(内窓)があります。
以上が、代表的な【壁の断熱強化】方法です。
ただし、既存住宅のエコリフォームにおいて、上記の方法が全てではありません。
例えば、次善の策として、板状の断熱材を内装材の上から張っていく方法もあります。
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