創刊号 (プロローグ)
★プロローグ★
「なぜ、住宅は必要なのでしょうか?」
【東北地方太平洋沖地震】、津波によって住宅が次々に流されている映像は、今も目に焼き付いています。
地震や原発によって、避難された方が学校や体育館で生活されている様子は連日テレビで報道されています。
今後、迅速に仮設住宅が続々と建てられることを祈っております。
これらの映像を観ながら、不謹慎な発言になってしまうかもしれませんが、「なぜ住宅は家族に必要なのか?」という単純な疑問が頭を離れません。
ただ単に「家族のプライバシーを確保する」ための家であれば、仮設住宅でも十分なはずです。(もちろん、寒さ・暑さを防ぐなど、家族の健康を守ることも重要ですが、大人数で生活せざるをえない避難所では、まずは【家族だけで暮らしたい!】
つまり、家族のプライバシーを確保することが最優先課題であると知らされます)
しかし、単に仮設住宅に移るだけで、避難されているご家族は【安住】できるのでしょうか?
仮設住宅は短期間の仮住まいであって、ず~と安住できる住宅ではありません。
原発により、避難することを強制されたご家族にとって、いままで住んでいた住宅は、単に日々を暮らしていくためだけに必要だったのではなく、地域のコミュニティーも含めて、家族の歴史が刻まれた非常に大切なものです。
その住宅には、両親と一緒に暮らした思い出、子供がだんだんと成長してきた喜びの記憶と記録が残されています。かけがえの無い宝物です。
東北地方太平洋沖地震によって、大切な住宅を失われたみなさんには心からお見舞い申し上げます。
私の経験ですが、独身のころは、住居に求めていたのは「プライバシーの確保」が最優先でした。
(勤務先に近いなどの利便性を兼ねているとさらに良かったですね)
どうせ、帰宅しても寝るだけの生活でしたし、長い時間を住宅内で過ごしませんでしたから、会社の寮でも満足でした。安い家賃に助けられました。
このころは「自分で家を持つ」などとは全く考えない状態であったと覚えています。
しかし、結婚して子供が生まれ家族が形成された時、はじめて、自分でも家を持ちたいと真剣に考えました。その時、「プライバシーの確保」だけではなく、様々な要素を住宅に求めました。
また、おそらく、これから20年後、年金を受給するころになると、住宅に対して別の要素を求めるようになると想定しています。
持家だけではなく、都心に近い賃貸マンションも選択肢の一つとして有望です。
持家を維持するには固定資産税だけではなく、メンテナンス費用も含めて、多額の費用が必要になります。
むしろ、「自分が住みたい地域」を発見するため、次から次に賃貸住宅に移り住むのも良い方法であると思います。
日本だけではなく、海外に安住の地を発見することもあるでしょう。
しかし、個人的な理想ですが、できれば、自分が建てた住宅は子孫に受け継いでいってもらいたい!
孫が結婚した時に(おそらく私はあの世に旅立っているころですが)、私が建てた家に住んでもらえるのは「この大黒柱はおじいちゃんが自分で選んだらしいよ」などと、とっても楽しいシーンが想像できます。
だから、私が建てた家は100年先でも立派に建っていてもらいたい!と、そんなことも考えるのです。
「LOST(ロスト)」という海外テレビドラマがあります。
http://www.movies.co.jp/lost/
昨日、ファイナルシーズンの最終回を観ました。主人公のジャックは人生の最後を島で迎えることになります(ご覧になっていない方、意味不明な文章でごめんなさい。また、今後ご覧になる予定の方、すみません、これ以上は内容を書きません)
不気味な島に不時着した生存者達ですが、もちろん、最初はなんとか島を脱出することばかりを考え、挑戦していきます。
なかなかこの島から脱出できないのですが、なんとか島を脱出できた数人の人達も島に戻ってきてしまいます。
そして、主人公のジャックは、最終的には、島から脱出することを拒否し、島を守るために戦い、そして、そこで人生の最後を迎えることになります。
この島はジャックにとって「終の棲家」になったわけです。
最初はなんでもない場所(もしくは嫌な場所)であっても、そこで長い間暮らす事によって、その「なんでもない場所」が「かけがえのない場所」になっていきます。
単に長い期間住んだだけではなく、そこで起こる様々な出来事によって、大切な場所へと変わっていくわけです。
「なぜ、住宅は必要なのでしょうか?」
この問いへの答えはなんでしょうか?
もちろん、家族によって、その答えは違ってくるでしょう。
一つだけ明確に言えることがあります。
それは、あなたと家族にとって、「かけがえのない場所」を見つけるには「何度も失敗することは許されない」ということです。
家族のために住宅を確保することは、冒険物語の主人公として未知の世界に踏みこんでいく事と変わりません。
そして、宝を持ち帰るには、あなたには強力な武器が必要なのです。
その武器とは、「知識」と「知恵」です。この武器は時には「地図」にもなります。
さて、この物語の主人公はマーコ(14歳)とカズパパ(47歳)です。
*ママのアッコ(42歳)もたまに登場しますよ。
この家族は、まだ何の武器も地図も持っていません。
はたして、無事に宝物(かけがえのない住宅)を持ち帰ることができるのでしょうか?
物語のはじまりです。
(次号に続く)
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