外断熱工法/地震ダメージへの補修について

【ご質問】
今回のような停電でも暖かさや生活の質を維持できる建築方法があればありがたい。外断熱方式は地震ダメージへの補修がしやすいのか? ジオパワーなどのようなヒートパイプ方式との差異が良くわからない。

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【ご質問:今回のような停電でも暖かさや生活の質を維持できる建築方法があればありがたい。】
・外断熱工法に限らず、「高断熱・高気密住宅」は、家の中の熱を外に逃がさない、そして、外の冷たさを家の中に入れない、という住宅ですので、家の中の暖房装置(エアコン・蓄熱式暖房機・ストーブなど)がとまっても、すぐに住宅内の温度が低下することにはなりません。

・また、日射を室内に十分に取り込むことが可能な立地条件(日当たりのよい家)であれば、昼間/太陽があたっている面の2重サッシの内側のサッシを開けるだけで「日射取得量」が増えますので、これが暖房機の替わりになります。

・「高断熱・高気密住宅」という工法/構造だけではなく、さらに「地中熱利用」をおこなうと、全く暖房をしない状態でも、下記の温熱環境になります(↓ 下記をクリックしてご覧ください)

冬中暖房しなかったI邸 (千葉県海上郡)

上記の中に表示されている「温熱環境測定データ」をご覧ください。(画像をクリックすると拡大表示されますので、細かな測定温度もご覧いただけます)
地中熱利用によって、床下(基礎コンクリート表面)の温度が15度前後で推移しております。室内側の温度は、昼は日射取得により18度近くまで上昇し、夜間は13度程度までしか低下しません。これは「床下の基礎コンクリートの熱(地中熱によって温度が保持されています)」が終始15度前後であるからです。

基礎コンクリートのさらに下(地中)には夏から持ち越した熱が残っています(これが地中熱です)。この熱はシステムが停電によって停止しても、簡単には低下しません。


【ご質問:外断熱方式は地震ダメージへの補修がしやすいのか?】
・地震に対して、外断熱用断熱材及び外壁材が脱落しないため、下記に内容で計算しております。
外断熱工法の外壁はずれ落ちませんか?

なお、「外断熱工法」といっても、建築する会社によっては上記の計算内容通りに施工していない場合もあります。私達が建てている外断熱工法の仕様については下記をご覧ください(↓)
外断熱工法で特別注意する点はなんでしょうか?

・当社で建築している「外断熱工法」の仕様・手順などについて、全国の工務店さんにすでに技術指導をおこなっています。その中で、岩手県一関市で【外断熱の地熱住宅】を建てている工務店さん(丸已建設)から、地震直後、下記の内容のメールをいただきました。


さて、震災の当日、翌日から地熱住宅の完成見学会をする予定でその物件で準備をしていた時に、震災が起こりました。(もちろん見学会は中止です)

その時、建物の中で、スタッフと一緒にいたのですがあまりの強い揺れに、外に出たのですが、立ってられませんでした。
廻りでは、ブロック塀が吹っ飛び、瓦が崩れ落ち、道路には四つん這いになっている人や、腰を抜かして座り込んでる老人が・・・。
その老人の脇にあったマンホールの蓋が跳ね上がり、舗装に次々と亀裂が入りこの世の終わりかと思わせられました。

幸いにも、完成物件は外壁に15㎝くらいの浅い亀裂が入っただけで済みましたが、建物のすぐ脇に地割れが入ってました。


地震時、建物と一緒に「断熱材及び外壁材」が揺れます。岩手県一関市の揺れにおいては、外壁材(サイディング)に亀裂が入ったとのことです。
つまり、外断熱材と外壁材は地震では脱落しません。さらに大きな地震では外壁材が外れることもあるかもしれませんが、その場合、一般の住宅と同様に、一度、外壁材を外して、新しいものと交換することになります。(もしくは、補修ですね)


【ご質問:ジオパワーなどのようなヒートパイプ方式との差異が良くわからない。】

・地中熱利用の方法では、大きく分類すると「地中に管を設置して、その管を通じて、地中熱を取り出す方法」と「建物下(地中)に夏(もしくは冬)の熱を蓄える方法」の2種類があります。
*環境省の分類については、下記をクリックしてご覧ください(↓)
環境省からなにか郵便物が届きました・・・???(地中熱利用システム/全国設置状況調査報告)

なお、上記の環境省の分類の中で「熱伝導」が当社のシステムに該当するのですが、実際は絵の通りではありません。床下に砂利層などは設置しません。

・ジオパワーさんの方式では、図の中の【空気循環】方式にあたるのではないでしょうか?
なお、ジオパワーさんとの違いについては、下記をクリックしてご覧ください(↓)

地中には何か地熱を取り出すものを設置するのですか?

【ジオパワーの地熱利用との違いは?】