環境省からなにか郵便物が届きました・・・???(地中熱利用システム/全国設置状況調査報告)

kannkyousyou001.JPG
本日(平成23年2月27日)、クロネコメール便で1通の封筒が届きました。環境省(水・大気環境局土壌環境課地下水・地盤環境室)からのものです。

「はてっ? 環境省から何が届いたのかな・・・???」

封筒を開けると、そこには書類が入っていました。

「地中熱等活用施設の設置状況等の調査結果について(御礼)」

と書かれています。
そうだっ! 思い出しました。昨年(平成22年)、環境省から調査協力依頼がありました。
下記の内容の調査協力依頼でした。


kannkyousyou001b.jpg 環境省 水・大気環境局 土壌環境課 地下水・地盤環境室からの書類  
平素より、地下水・地盤環境行政の推進につきまして、ご理解ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。  
この度、環境省では全国の地中熱を活用した施設の設置状況調査を実施することといたしました。つきましては御社の設置実績について、情報をご提供くださいますようお願いいたします。(中略)  
また、調査結果は、まとまり次第、ご協力いただきました各社へご報告させていただく予定です。ご多忙のところ恐縮ですが、趣旨をご理解いただき、ご協力をお願いいたします。



思い出しました!その調査結果がまとまったので、エコホームズまで資料を送っていただいたのでしょう。中を拝見してみますと、
kannkyousyou001a.jpg

【地中熱等活用施設の設置状況等の調査結果について(御礼)】
日頃より、地下水・地盤環境行政へ御理解・御協力を賜り感謝申し上げます。
この度は表題の調査に関して、御多忙のなか御協力を賜りありがとうございました。御協力いただきました資料を活用し、添付「日本の地中熱利用施設の普及状況」(速報値)のとおり、とりまとめさせていただきましので送付いたします。
なお、今後の地中熱利用の実態把握に努め、資料として整理していく予定でおりますので、引き続き御協力賜りますようお願いいたします。
<担当> 環境省 水・大気環境局 土壌環境課 地下水・地盤環境室



なかなか面白い調査結果が報告されています。それでは、送っていただいた資料を見てみましょう。

【日本の地中熱利用施設の普及状況】
kannkyousyou006.jpg

(資料の中から、一部を抜粋します)
1.地中熱の何が注目されているか

・地熱は大地の持つ自然エネルギー
火山のある我が国では、その高温であるという特性を利用して、地熱発電の研究が進められてきた。
・四季のある我が国では、地表近くでも地温が年間を通して一定であるという特性を利用して、地中熱という温度差エネルギーを利用することが注目を集めている。

報告書の中には、様々な地中熱利用方式が紹介されています(↓)*画像をクリックすると拡大表示されます。
kannkyousyou003a.jpg

この資料の中から【熱伝導】タイプ(エコホームズが開発した地中熱利用方法もこの型に分類されます)の図を抜き出してみましょう(↓)
kannkyousyou003b.jpg

この資料は環境省が作成し、環境省内部・外部に公表するものです。環境省内においては、私達が利用している方式を【熱伝導】と分類しているようです。(なお、日本建築学会で発表した際は【伝導型地中熱活用住宅】と表記しました。*論文内容については、下記をクリックしてご覧ください)
伝導型地中熱活用住宅の研究

調査結果を確認してみましょう(↓)

○利用形態別施設設置件数
【熱伝導】タイプが全体の30%になります。
kannkyousyou004.jpg


○地中熱利用システム(全体)の設置状況
*やはり、千葉県が赤い色(設置件数が多い)ですね。
kannkyousyou005.jpg
(なお、エコホームズで回答をする際、現在建てている地中熱利用システムとほぼ同一のシステムになった1997年建築以降の件数を報告しました。それ以前に建てた「外断熱・地中熱利用システム」は200棟を超えていますが、システムの原理が若干違うため、カウントせずに報告いたしました)


なお、「利用種別毎の設置割合」をみますと、地中熱利用システムは「住宅 76.7%」であり、「道路融雪 6.4%」「事務所 5.3%」となっています。他には「農業施設」「温浴施設」などでもすでに設置実績があるようです。
原油価格が上昇してくると、農業施設などではランニングコスト削減のため、今後はさらに地中熱利用が普及していくのではないでしょうか。

環境省ご担当者様、大変有意義な調査をしていただきましてありがとうございます。