檜のログハウスは癒されるのか?大実験
自然素材の家を建てる工務店の多くは「木の家は癒されます」的な文言を強調しています。ハウスメーカーでも木の家を得意にしている会社であれば、必ず「癒し」という言葉が使われているはずです。
「できるだけ早く自宅に帰って、そこでのんびりと癒されたい!」的なコマーシャルも多く放映されています。
さて、【木の家】=【癒し】という方程式は正しいのでしょうか?
そこで「あすみ住宅研究会」(檜の家が大好きな工務店の集団です。エコホームズも所属しています。設立の経緯についてはこちら⇒ 「あすみ住宅研究会」とは? をクリックしてご覧ください)が「国産無垢材の快適性」について実験をおこないました。
しかも、「平成22年度 木のまち・木のいえ整備促進事業について(木造住宅・木造建築物等の整備促進に関する調査・普及・技術基盤強化)」という補助事業に採択されて実験をおこなうことになったのです。
さてさて、どんな結果が出たのでしょうか?
*実験のテーマの一つに「国産材無垢材の快適性効果モニタリング測定」というのがありまして、檜の家が大好きなあすみ住宅研究会としては、当然のことなのですが、「国産無垢材(檜材)の住宅は明確に快適であることが証明されました!」という実験結果がでるとバンバンザイなのです。
檜の家が快適であるか/どうかについて実験をおこなうため、プレカット工場の片隅に3棟の実験棟を建築しました。
*写真/左(奥)から下記の実験棟となります。(各棟面積: 13.24平方メートル)
1.A棟 コンクリート住宅(合板住宅の内部をALC板で覆いました)
2.B棟 合板住宅
3.C棟 檜ログ住宅
【実験方法】
・被験者9名が各実験棟に居住し、居住環境における精神的効能をモニタリング。
・実施期間: 2011年3月1日~18日の15日間
・被験者: 学生9名(平均年齢 18.6歳)
【実験内容】
・手掌部発汗量の変化の測定(情動や緊張の指標とされる。値が高い程緊張が高い)
・唾液アミラーゼ活性の測定(日常ストレスを反映するとされる。値が高い程ストレスが高い)
・ストレスチェッカーの測定
・左前腕部内側の皮膚湿分
(皮膚温測定器)
ここでの実験結果を「信州大学 医学部名誉教授 小川秋實先生」に評価していただくことになりました。さてさて、その結果とは?
1)手掌部発汗量の変化の測定(情動や緊張の指標とされる。値が高い程緊張が高い)
・C棟(檜ログ住宅)が入室後90分後の減少率が一番高かった。「檜の良い香りで心地良さを感じた」というアンケート結果を裏付けている。
2)唾液アミラーゼ活性の測定(日常ストレスを反映するとされる。値が高い程ストレスが高い)
・C棟(檜ログ住宅)が他棟に比べ一番低値でリラックス感を抱いていると思われる。
3)ストレスチェッカーの測定
・全体的に低レベルであるものの、有意性は認められない。
4)左前腕部内側の皮膚湿分
・C棟は皮膚湿分は常に低く、檜ログ棟の調整性が高いことを裏付け、「朝は寒かったけど過ごし易かった」という記述に合致する。
【結論】:多少の差異はあるものの、統計的には、はっきりとした違いは認められない
という結果になりました。つまり、どの実験棟においても、大きな違いは無いというわけです。
信州大学 医学部名誉教授 小川秋實先生のお話では、「実験データが少ない」ということでした。つまり、もっと継続的に実験をおこない、多くの検証データを集めない限り、「檜の家は癒される」という話が本当がどうかを証明できないとのことでした。
檜の家が大好きな私が言うのは変ですが、この結果は当然の結果だと思います。
檜のログに囲まれた空間に入ったからといって、それだけで癒されるわけではありません。
「住宅の立地条件・景色」「家族の会話がある/ない」「家の中の香り」「目から入る映像」「家の中の温度・湿度」などなど、様々な要素が関係しあって【癒される家】かどうかの判断をしているのだと思います。
さて、【地球民家】という家造りは、はたして、本当に癒される住宅なのでしょうか?
それを実感していただくには、ぜひ一度、【地球民家モデルハウス】に体験宿泊してみてください(↓)
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