東北地方での地中熱利用について
★東北地方にお住いの大沼様からご質問をいただきました。(ありがとうございます!)
【質問 1】
・市内(東北地方)の地中温度は平均14℃〜15℃程度とのことですが、例えば、御社のシステムをそのまま導入したとしても、ちょっと寒いので、補助暖房が必要だと思いますが。
(回答)
・補助暖房は必要になると思います。
・さらに、基礎断熱の強化も必要です。
長野県で建築している事例では、下記のように、基礎断熱の強化をおこなっております。
【質問 2】
基礎にヒーターなどの人工物をいれないところはすごいと思います。しかし、本を読んでいて、また、別添図にあるように換気システムが複雑なような気がしますが。(私の理解不足だとは思います。)
(回答)
・換気システム及び床下システムに関する系統図は下記をご参照ください。
(実際はそれほど複雑ではないと思います)
【質問 3】
・いずれにしても、床下の空気を室内(館内)に回すということは、見えないチリ・粉塵を拡散するだけだという批判的な見方にはどんな見解ですか。
(回答)
・確かに床下がホコリだらけでお引渡しした場合、それらのホコリを循環させることになりますね。
これはマズイです。
そのため、お引渡し前には、必ず 床下を清掃(掃除機)をかけます。
・ただし、ご入居後に発生するハウスダストなどの浮遊塵は「床下システム」によって循環されてしまいます。 ところが、24時間換気システム(排気をダクトでおこないます)によって、ほとんどの浮遊塵は外へ排出されますので、それほど気にならないようです。
・木屑などの重いゴミ(浮遊しないもの)は運ばれません。それほどの風量がないためです。
【質問 4】
最大の疑問は、床下1mのところの地中温度が17℃〜20℃程度なのに、なぜ床下はそれより15℃〜19℃と低くなるのですか。
(回答)
・床下1メートルにある地中温度は、あくまでも「夏 太陽熱/日射熱が地中を伝わってきたもの」です。 それを冬になっても冷やさないようにしているのが「床下システム」です。
そのため、地中からベタ基礎方向へ熱が移動しているのです。熱は高い方から低い方へ移動します。
(*下記の図をご参照ください。)(画像をクリックすると拡大表示されます)
・基礎コンクリートが蓄熱するため、どうしても基礎(地中部分/表面温度)と基礎(床下空間部分/表面温度)は同一にはなりません。そのため、どうしても床下1mよりもベタ基礎表面温度の方が下がってしまいます。
【質問 5】
ベタ基礎コンクリートにヒーター一つ入れないで、外張断熱と基礎断熱だけで、本当に15℃〜19℃もなるのですか。
(回答)
・あくまでも、千葉県周辺における『実測値』です。基礎断熱を強化しない限り、東北地方においては温度が下がるはずです。なぜなら、地中熱は「地域の1年間の平均気温」に大きく影響されるからです。
【質問 6】
窓(壁)際にガラリ(スリット)は設けるのですか。
(回答)
・ガラリと同じ働きをするものとして「通気幅木」を設置しています。下記をご覧ください。(最後の方に記載されてあります。)
【質問 7】
「床下システム」の冬モードは、夏の逆となるのですが、主導でシステムを切り替えるのですか。それとも、何かのファクターを与えての自動切替ですか。
(回答)
*まずは、「床下システム」の冬と夏モードの概念図をご覧ください。
(画像をクリックすると拡大表示されます。)
・外気を温度センサーで測定し、その測定結果をもとに「システムの夏・冬モード」を自動で切り替えます。
詳しい内容については下記をクリックしてご覧くださ(↓)
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