風除室は絶対に必要ですか?

【質問】
先日見学させていただいた建物では、玄関を入るとまた建具がついていました。その空間を「これが風除室です。」と説明をうけたのですが、地熱住宅を建てる場合、絶対に風除室は必要ですか?

(回答)
・ご質問をいただきましてありがとうございます。
地熱住宅では、玄関ドアを開けて中に入るとその奥にまたドア(建具)がついています。その「玄関ドア」と「玄関の奥にあるドア(建具)」の間(空間)を風除室とよんでいます。

風除室

写真のように、玄関を入るとすぐ奥に またドアがあります。奥のドアは通常は閉めたままです。
この空間が風除室です。
風除室が必要な理由をご説明いたします。

★風除室が必要な理由★
・基本的には、玄関の方位が「東西南北」どちら向きであっても風除室をつけます。一般的な住宅の場合、玄関ドアを開けて中に入っても、すぐにドア(建具)がついているのは珍しいと思います。
通常は、この奥についているドアは閉めたままです。

(玄関ドア)
風除室

(玄関からリビングに入るところにまたドアがあります)
風除室

・この風除室は地熱住宅に限らず「高断熱・高気密住宅」には必須なのです。
高断熱・高気密住宅では「24時間計画換気システム」によって家の中の汚れた空気を新鮮空気と入れ替えています。すると、家の中はすこし負圧(マイナス圧力)になっています。窓や玄関ドアを開けると外の空気がす〜と入ってきます。

・せっかく家全体を暖房(冷房)していても、冬 玄関ドアを開けるたびに冷たい外気が入り込んでしまうのはマイナスになってしまいます。(夏は逆になります。暑い外気を玄関から家の中にとりこんでしまいます。)

・そこで風除室が必要になるのです。玄関を開けても、室内側のドアが閉まっていますから、外気を直接 居住空間に入れません。「家の外」と「家の中」の緩衝空間になります。

・風除室内は「冬 居住空間よりも若干温度が下がり」、そして「夏 居住空間よりも若干温度が上がる」ことになります。そのため、風除室の周りには断熱強化として壁の中にグラスウールの断熱材をいれています。

風除室

外が不快な時期(夏・冬)、不快な外気によって室内の温熱環境を悪くしないため、風除室は必要な空間です。

以上です。最後までお読みいただきましてありがとうございます。