カビ、シロアリ等の対策について
【御質問】
カビ、シロアリ等に対しての強みを教えて頂けますか?
御質問をいただきましてありがとうございます。下記を御参照ください。
(カビ対策について)
・カビの発生要因ですが【湿気(水蒸気)】と【温度】となります。 また、カビが発生する場所としては
「家の中=見える場所」
「壁の中=見えない場所」
の2箇所が考えられます。下記の画像は「壁の中のカビ」です。
それぞれについてお答えいたします。
★家の中のカビについて
・カビが良く繁殖するのは「相対湿度80%以上」「温度25度以上」ですから、梅雨から夏にかけて、家の中ではカビが繁殖しやすい条件になっています。
私達の住宅でも、梅雨から夏の室温は「27度程度」を目安にしていますので、「相対湿度を80%以上にしないこと」が重要になります。
・相対湿度を80%以上にしないためには、「家の中全体を除湿すること」と「余分な水蒸気を排出しない。そして、発生した水蒸気を速やかに排出すること」が重要になります。
◎「家の中全体を除湿すること」◎
除湿するにはエアコンを使用します。そして、少ない電気代で効率的に除湿するには、「住宅の高気密化」と「家全体(床下も含めて)に空気の流れを作る」と「上下の空気の流れを考えたエアコンの設置」の3つのポイントが重要になります。
「住宅の高気密化」にすることによって、梅雨から夏にかけて湿気を多く含んだ外気が勝手に室内に入り込まないようにします。それが高気密住宅です。下記をクリックして御参照ください(↓)
●気密住宅とは
また、実際に建てた住宅が「本当に高気密住宅になっているかどうか?」を確認する作業として【気密測定】をおこないます。
・「家全体(床下も含めて)に空気の流れを作る」とは、エアコンで除湿された空気を家全体に流すことです。そのために、下記の工夫をおこなっています。
①1階/床と床下の空気の流れを確保する事。
・梅雨から夏にかけて、【地中熱利用システム=名称:床下システム】(床下から空気を吸い上げて、2階ホール天井から噴出します)が稼動しますので、床下が負圧になります。そのため、1階から床下へと空気の流れが発生します。空気の流れ道が「通気巾木」です。(床と巾木の部分に隙間を確保しています。そのため、空気が流れるようになっています。下記の画像が通気巾木です。)
(左:洋室用通気巾木 右:和室用通気巾木)
また、【地中熱利用システム=名称:床下システム】に関する詳しい記述は下記をクリックしてご覧ください(↓)
②床下から壁の中に空気の流れを確保する事。
・床下から壁の中にかけて、垂直方向の空気の流れを確保する構造になっています。詳しい内容は下記をクリックしてご覧ください。
③1階/収納空間内も空気の流れを確保する事。
・空気が溜まることは「湿気も溜まる」ことにつながります。そこで、1階部分の収納空間は壁部分に通気のための工夫があります。その工夫については、下記をクリックしてご覧ください。
・「上下の空気の流れを考えたエアコンの設置」とは、夏と冬では「家の中(垂直方向)の空気の流れが変わること」を考えてエアコンの設置場所を決めることです。
夏:外気温度が室温より高いので、家の中(垂直方向)には【上から下へ】空気が流れます。そのため、家全体を除湿するためのエアコンは2階に設置します(2階階段ホール近辺)。
冬:外気温度が室温より低いので、家の中(垂直方向)には【下から上へ】空気が流れます。そのため、家全体を暖房するためのエアコンは1階に設置します(リビング)。
このように、室内空間の垂直方向の空気の流れを考えてエアコンの設置場所を決めることが、効率的な除湿(つまり、少ない電気代で除湿すること)になります。
◎「余分な水蒸気を排出しない。そして、発生した水蒸気を速やかに排出すること」◎
・余分な水蒸気を排出しないため、IHクッキングヒーターをおススメしています。ガス燃焼による水蒸気の発生を防ぐためです。
・また、発生した水蒸気を速やかに排出するため、計画換気(室内の汚れた空気を排出・新鮮空気を家の中に入れる)とは別に【局所換気】を設置します。
【局所換気】
①キッチン:給気と排気を同時におこなうため「同時給排型レンジフード」を設置します。
②浴室:浴室内の湿気を速やかに排出するため、「排気のみ」換気扇を設置します。
配管図は下記を御参照ください。
*画像をクリックすると拡大表示されます。
図の中で「赤色」で示してあるのが「地中熱利用システム」です。それ以外は「24時間換気システム(計画換気)」と「局所換気」(キッチン・ユニットバスなど)です。(私達が設置している「24時間換気システム」は特許も取得しました。)
以上が、家の中にカビを発生させないための工夫です。
次に、「壁の中=見えない場所」にカビを発生させない工夫を御説明いたします。
★壁の中(=見えない場所)のカビについて
壁の中に結露が発生する原因ですが、木造住宅の場合、下記の要因でカビが発生します。
①冬、壁の中に発生した結露が梅雨/夏になっても放出されず、そのため、壁の中でカビが発生する。
②夏、逆転結露(外気より家の中が涼しいため、外気が壁の中に入り込んで、そこで結露が発生する)により壁の中でカビが発生する。
どちらの場合でも、壁の中の結露を防ぐには、「家の中」と「家の外」を下記2つのポイントにおいて明確に区切ることが重要です。
①断熱的に明確に区切ること。
・内断熱の場合、「断熱材の中で温度が変化すること」が問題になります。綿状の断熱材ではどうしても断熱材の中で温度が変化してしまいます。また、構造(木造)部分は断熱されないため(木材は断熱性能は高いのですが、それでも温度差は発生します)、そこに温度差ができてしまいます。
そこで、構造体を外側から全部断熱できる【外断熱工法】を私達は採用しています。
下記をクリックしてご覧ください(↓)
②水蒸気を明確に区切ること
・家の中の水蒸気を壁の中に入り込ませないため、断熱材の内側(室内側)に水蒸気を通さない層(これをベーパーバリアと言います)をしっかりと設置する必要があります。
そのため、私達はサーモプライ(湿気を通さない素材です)を住宅全体(屋根〜壁)に貼ります。
詳しい内容は下記をクリックしてご覧ください(↓)
●サーモプライ(気密層:ベーパーバリア=水蒸気を通さない層)をどのように施工するのですか?
また、サーモプライを家全体に貼る事によって、住宅の高気密化をおこなっています。詳しい情報は下記をクリックしてご覧ください(↓)
以上が、壁の中にカビを発生させないための工夫です。
次に、「シロアリ対策」についてお答えいたします。
(シロアリ対策)
木造住宅に限らず、軽量鉄骨の住宅においても住宅内に使用されている木材はシロアリ被害の対象になってしまいます。
私達が考える「シロアリ対策」は、3つの項目から考えています。
①構造材に木曾東濃檜を使用する。
・檜やヒバ材はシロアリの被害にあいにくい樹種です。
そこで、私達は積極的に「木曾東濃檜」をおススメしております。「木曾東濃檜」については、下記をクリックしてご覧ください。
②構造材が腐朽しないようにする(シロアリの好物を作らない)。
・木部(構造材)を封じ込めないようにする。つまり、構造材の周りを空気が流れるようにすること。
③物理的にシロアリが入り込めないようにする。
・基礎部分に、物理的に、シロアリが通り抜けできない工夫をしています。
これだけでも十分なシロアリ対策だと考えていますが、念のため、補強的に下記のことを取り入れています。
④自然素材(液状の炭)による防蟻処理
⑤年に一度の「床下点検」
・上記5つの項目については、さらに詳しく知っていただくため、下記をクリックして御参照ください。
以上です。
上記の内容に関して、御質問等はいつでも私までご連絡ください。
(ご意見・ご質問は、下記のフォームからお送りください。)
最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。