住宅金融公庫総裁賞をいただいたT様(千葉県匝瑳市)からご意見・ご感想をいただきました。(ありがとうございます!)
私達の研究(地熱住宅に関する温熱環境の測定)に全面的にご協力をいただいております「T様(千葉県匝瑳市在住)」から、ご感想をいただきました。今回は、T様のご意見・ご感想を掲載させていただきます。
なお、T邸で長年測定してきた温熱環境データをもとに提出したものが「【第5回 環境省エネルギー賞 住宅金融公庫総裁賞】」を受賞いたしました。
玉川「T様、たいへんお忙しい中、インタビューに時間をさいていただきましてありがとうございます。今回のインタビュー内容は、今度出版いたします「地熱住宅及びその開発経緯(題名はまだ決まっていませんが・・・)」本にも掲載させていただきますので宜しくお願いします。」
「さっそくですが、T様が【地熱住宅を選んだ理由】をお話いただけますか。」
T様「家造りをはじめたのが、もう7年前になりますね。当時、玉川さんだけではなく、もう1社(H建設さん)もいいなぁ〜と思っていました。当時住んでいた家では、冬になると朝4℃ぐらいに下がっていました。寒かったですねぇ〜。最初、地熱住宅というのは全く知りませんでした。当時、家造りをする一番のポイントは何かというと、私も妻も花粉症ひどかったので、【高断熱・高気密住宅】であり、さらに花粉を家の中に入れないということを考えていました。【計画換気】をきっちりと考えれば、花粉の侵入も少なくてすむかなと。」
「地熱住宅ということを聞きまして、最初は【夏の地下の地熱】と【冬の地下の地熱】と、なんで逆に書いてあるのかな?こんな単純なミスをするのかな?と思いましたね。その時、宇佐美さんの地熱セミナーに参加しまして・・・・、カルチャーショックでしたね。大地が蓄えたエネルギーを使う?地下で熱を交換するのか?など疑問な点がいっぱいありました。宇佐美さんのセミナーでじっくりと話を聞いたので、それで納得しました。」
「地熱住宅は、省エネタイプでありながら、すでにシステムがプログラム化されていましたし、自然エネルギー(=地熱)を利用し、さらに計画換気や外断熱というまだまだ新しい仕組みを設置していたのが驚きでした。すでに、現代の家造りの主流となる要素が取り込まれていましたからね。」
「木をすごく大切にしている建物であることも決め手でした。私も妻も木調の家にすごく安らぎを感じますのでね。RCの建物でエアコンをばんばん使って室内環境を制御するような家よりも、自然の力によって古民家の智恵に学んで、しかもそれをきちんとコントロールできるエコシステムに魅力を感じたのですね。しかし、H建設さんの方が上手に木や自然素材を使っていましたよ(笑)。」
玉川「当時、【計画換気】って言葉を知っている人は少なかったですよね。」
T様「すでに住宅雑誌などで書かれてありましたよ。よ〜く研究していましたからね、言いにくいことですが、当時、玉川さんの会社の営業さんよりも私の方が高断熱・高気密住宅について詳しかったですよ(笑)。それだけ画期的なシステムだったんですよ。構造材に檜を使っている会社は他にもたくさんあったのですが、檜と外断熱を両方やっている会社は他になかったですね。」
玉川「すでに【外断熱】のこともご存知だったのですか?」
T様「知っていました。【外断熱】と【内断熱】の違いも住宅雑誌では【最先端】のものとして紹介してありましたから、それらを読んで勉強していましたから。だから、玉川さんの会社の営業さんに【もっと住宅雑誌を読んだ方が良いですよ!】とアドバイスをしていました(笑)。友人にもっと詳しい人がいまして、彼から本も借りて勉強しました。玉川さんのセミナーにも参加されていましたね。専門的な質問をたくさんしていましたよ。」
玉川「その方は当社で建てたのですか?」
T様「いやぁ〜、建てなかったようですね。」
玉川「・・・・・・・」
玉川「実際に、地熱住宅にお住まいになってからのご感想はいかがですか?」
T様「地中熱利用の実感はないですねぇ〜。床暖房のようにスイッチをONにするとすぐに効果があらわれるのとは違って、住み始めてすぐに【おおっ!これが地熱だっ!】という実感はないです。」
「ただし、友人が家に遊びに来ると彼らはわかるようですよ。娘は独立して他で生活しているのですが、帰ってくると【暖かい!】と言っています。」
「冬、朝起きても寒くない。しかし、冬でもTシャツ1枚ですごす家ではないですし、それはエコではないと思っています。これが【採暖と暖房】の違いなんでしょうか。【本当に冬暖かいですよ!】とか【夏はすごく涼しいですよ!】というものでもないです。究極のエコ住宅は【実感できないものだっ!】と考えています。実感できるのは無理があると。」
「地熱住宅は、今から10年経った時に、本当に評価されるんでしょうね!」
玉川「現在の地熱住宅に対する改善点はいかがでしょうか?」
T様「地熱住宅は、今まで慣れてきた暮らし方を全てすぐに快適にしてくれるものではありません。万能ではないですからね。例えば、冬 雨に濡れて帰ってきた時、すぐに暖をとりたいと感じても地熱利用だけでは難しい。その場合は補助暖房が必要になりますよね。これからのお客さんには、事前に、地熱住宅に関するメリット・デメリットを明確に詳しくお伝えしてください。」
「例えば、地中熱利用はすぐに実感できるものではないこと。雨に濡れた時を考えて、クイックレスポンス、つまりスイッチを入れればすぐに反応するパーソナルユースの補助暖房の導入。家の間取りを考える際、【方位・立地条件】によって地中熱利用の効果が違うのでそれも詳しく説明してください。また、入居してからの【住まい方】によっても地中熱利用の効果が違ってくるので、それらを事前に詳しく知ってもらうようにしてください。」
玉川「温熱環境の測定のため、地下5メートルまで住宅の下に穴を掘ってセンサーを設置させていただいたのですが、ある意味、住宅の建築とは関係無いことを認めていただきました。また、定期的にお伺いして測定データを回収していますが、そのために、わざわざT様の貴重な時間を、しかも長時間、いただいております。変な質問ですが、なぜ、ここまでご協力していただけるのでしょうか?最後におかしな質問をして申し訳ございません。」
T様「(笑)好奇心ですよね、好奇心。本当に地中熱利用ができているのか?宇佐美さんの話は本当だったのか?測定データによって、それを目で確かめることができるでしょ。知的好奇心ですね(笑)」
「しかも、短期間の測定ではなく、入居してからず〜と測定が続いているわけで。10年以上に渡る経年変化を見るのが楽しみですね。」
玉川「T様、今日はありがとうございました。そして、これからも長いなが〜い測定期間になりますが宜しくお願いします。」
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