地下室の設置について

【質問】
地下室などを作ると更に、地中温と接する面積が増えると考えられますが、そのような場合の施工実績はありますか?またそのような場合にでも、現在の御社の換気システムで対応することは可能でしょうか?
地中コンクリート部分に、二重通気層を作ることは現在の木造の部分の工法では難しいと思うのですが、通気層を作る必要はないでしょうか?またその場合には、建物上部の通気層との連絡がなくなりますが、それで十分に空気が循環するのでしょうか?


【回答】

半地下室については数件の実績があります。換気(外気との空気の入れ替え)は弊社の独自の換気システム(特許取得)で対応可能です。
また、地下室や半地下室は、地中熱活用には非常に有効ですが、特に夏場の地中冷熱で起こる基礎コンクリート面の結露の対策には充分注意が必要です。


地下室を作らない場合でも、地中熱活用住宅では夏場の地中冷熱による結露の対策は不可欠ですので「床下システム」で床下の除湿をしています。夏場の地中は深くなるほど冷たく、地下室の場合にはさらにコンクリートの表面が冷たいので、この床下システムをかなり強化する必要があります。


(床下システム 概念図:夏モード *画像をクリックすると拡大表示されます。)


また、冬は地中熱を期待出来ますが、建物の一番下部に位置するので冷気の溜まりやすいところでもあります。夏にも冬にも、出来るだけその他の部屋との空気の流れを確保するために、開放出来る構造や間取りにすることが望ましいと言えます。

 「地中コンクリート部分の二重通気層」についてですが、大変申し訳ありません、勉強不足でどのようなものか分かりません。ご質問内容に沿った回答ではないかもしれませんが、思い付いた範囲で回答させていただきますので、またご連絡くださいませ。

ビルなどの大規模建築物では夏場の結露対策として基礎の壁や床を二重にして、その間の空間で結露を誘発させ結露水を排出する工法が取られています。これは結露の対策としては理想的ですが、一般住宅では規模的に難しいと思います。

また、「地中熱を活用しない地下室」では基礎の室内側に断熱材を施工(内断熱)して、その上に木材下地で壁や床を施工するのが一般的です。
しかし、「地中熱活用の地下室」では、例え通気層を作っても、壁や床を木材下地で作るのはお勧めできません。壁、床を張ることでコンクリート面がより冷たくなり、結露が促進されることと、通気層内での大量の結露が乾かせるほどの大量の通気は不可能なこと、また、その結露によって木材の腐食やカビなどの発生が懸念されるからです。

このため、当社の半地下室は、通気が確保しやすく、結露を軽減させ、メンテナンスも容易なことから「壁も床も張らないで露出させる」方法をとって物入れなどとして使用しています。