「外断熱工法」における【外壁のメンテナンス】について
一般の住宅では「外壁材」が劣化すると「外壁材の割れ目」や「外壁材の継ぎ目」などから雨水が侵入して「雨漏り」「壁内の腐朽」などの原因になります。
私達が建てている「外断熱住宅(外張り断熱工法)」の場合、構造体(土台・柱・桁など)のすぐ外側にサーモプライ(雨水を通しません)を張り、さらに外側に「断熱材(ボード状の断熱材で雨水を通しません)」を張り、さらにさらに その外側に「タイベックシート(雨水を通しません)」を張り、そしてその外側に「外壁材」を取り付けます。
そのため、「外壁材/表面の劣化」及び「外壁材/継ぎ目の劣化」がおきても、それがすぐに「雨漏り」や「壁内の腐朽」につながりません。
しかし、外壁が汚れたままになっていたり、外壁材の継ぎ目及び表面がひどく劣化した状態は建物にとって良い状態とは言えません。
建物の北側では写真のように「外壁に緑色のコケ」が発生します。(外壁材の種類、及び、表面の仕上げ状態によって違いますが)
そこで、外壁材のメンテナンスについて目安をお伝えします。
ほとんどの住宅で使われている「サイディング材」と呼ばれている外壁材ですが、家を守る上で重要な役割があります。
写真のように「外壁材の表面に発生したもの」であれば、高圧洗浄によってある程度落とすことができます。下記の写真は、一部を高圧洗浄したものです。
建物の廻りが下記のような条件の場合、外壁にコケがつきやすくなります。
・雑草がたくさんはえている。
・北側がジメジメしている。
・建物の近くに植栽が繁茂している。
そんな条件では、竣工してから2、3年ほどでコケがつく場合もあります。外壁材自体はほとんど劣化していないのですが、表面が汚くなります。ちょっと嫌ですね。
その時は高圧洗浄するだけでほとんどキレイになります。ただし、足場をかける必要があります。
★サイディング材の場合★
はじめに経年劣化による「塗膜の変化」が起こり、見た目に色があせてきたり、雨だれの汚れ・カビ・藻の発生などが目立ってきます。塗膜が劣化するとサイディグ材(素材)への水分、湿気の浸入と蓄積がおこることになります。
塗膜の劣化などは手で触ると白い粉のようなものがつきますので確認しやすいと思います。
サイディング材の長さは1枚あたりおおよそ1800ミリくらいの物が主流ですから、当然つなぎ目ができ、この部分にジョイントシーリング材を施工します。
このシーリング材は雨を防ぐための役割としてはとても大事なところでして、一度 亀裂やはがれなどがおこると雨の浸入をゆるすことになります。
シーリング材とサイディング材ではシーリング材のほうが早く劣化がすすむともいわれています。
「塗膜のはがれ」がおこり劣化しはじめたサイディング材は変形し始め、「つなぎ目」がどんどん広くなります。
ここまで劣化が進んだ場合、「つなぎ目の補修」及び「外壁材の表面(塗膜)の補修」つまり外壁塗装が必要になります。
下記の手順でおこないます。
1)建物のまわりに足場をかけます。
2)外壁面を高圧洗浄し、汚れを落とします。
3)「外壁材のつなぎ目」を補修します。
・「外壁材のつなぎ目」が写真のように「汚れ・割れ」が発生しています。
・「つなぎ目」の特に劣化が激しい部分を切り取ります。
・新たにシーリング材を充填していきます。(画像をクリックすると拡大表示されます)
4)外壁材の表面を塗料がつきやすいように処理していきます。
5)ローラーで塗装していきます。(下塗り&上塗り)
6)外壁面だけではなく、「破風板」「雨どい」「水切り」「雨戸の戸袋」なども塗装します。
7)ビフォー&アフターをご覧ください。
立地条件(海に近いなど)によって大きく違いますが、目安としては10年前後には「外壁塗装」が必要になってきます。
★外壁のメンテナンスについて、ご不明な点がありましたら、いつでも下記のフォームからお問い合わせください★