【壁体内結露はなぜ発生するのか?】
【壁体内結露】(壁の中で結露が発生すること)によって構造体(木材)が腐ってしまうと、地震に対する強度が落ちてしまう可能性があることを以前投稿しました。
→【木造3階建】
今回は【壁体内結露】が発生してしまうメカニズムです。
住宅に断熱材を施工する際、基本は「断熱材の部屋側/内側に水蒸気を通さない層(バーパーバリア)をしっかりと設置すること」です。
このベーパーバリアがきっちりと施工してあれば、内断熱であっても壁の中に結露が発生することはありません。理論的にはそうなのです。
ところが、実際に建築現場で見学されるとよくわかるのですが、内断熱の場合、下記の部分でベーパーバリアがうまく施工できないことがあります。
●コンセントボックス
●水道管などの配管まわり
また、施工マニュアルに規定されている断熱材の設置方法が守られていない場合もあります。
すると、下記の図のように、断熱材の中に部屋の湿気が入り込みます。
内断熱の場合、断熱材の中で温度が変化するため、断熱材の中で結露が発生してしまいます。これが【壁体内結露】です。
*下記の写真は、断熱材の中で結露が発生し、そしてカビが生えています。
さらに問題になるのが、夏場の逆転結露です。
下記の図をご覧ください(↓)
(画像をクリックすると拡大表示されます)
夏、室内をガンガン冷房している場合、外気(高温多湿な空気)がやはり壁内で結露する可能性があります。
この【壁体内結露】を防ぐ方法の一つとして【外断熱工法】が登場します!
【外断熱工法】用の断熱材は「湿気を通しにくい」素材です。私達はボード状の発泡ポリスチレンを使っています。この断熱材によって建物を外側から覆うと【壁体内結露によって構造体の強度が落ちること】を防ぐことができます。
下記をご覧ください。青い色のものが断熱材です。
これが【外断熱工法】が普及してきた理由の一つです。