【タイベックシートの役割について】

【ご質問】
★清志朗様からご質問をいただきました。
(私の回答を最後に追加してあります。)

玉川さま
こんにちは、早速添付ファイルなど頂き、また丁寧にご回答頂き、ありがとうございました。

屋根の断熱ですが、当方の断熱は、玉川さんの方法と少し違う(一度全面に断熱パネルをひかない)ので、もう一度検討して玉川さんのような仕様に変更したいと考えています。ただ、玉川さんより良いのか?わかりませんが、普通野地板の上にひくルーフィングは真っ黒のアスファルトシートのような物ですが、これが最近、銀色の遮熱効果と防水効果のある専用シートがあるということです。メーカー名はわかりませんが、設計士さんが言ってました。FPの屋根断熱パネルも、遮熱の銀色シート(FPでは厚紙にアルミをコーティングしたもの)と通気層で、かなり屋根裏の温度(夏場)が下がったと言う事です。

あと、壁の断熱も、外断熱の欠点である、厚さの問題で、通常50ミリが限界ですね。こちらでは、ダイライトやサーモプライの内側にも断熱材を貼る工務店もありますが、当方の設計士さんは、筋交い入れるので、柱間の室内側には断熱パネルをきちんと入れるのは手間がかかる。ということで、最初は湿度の調整と音響の吸収効果を狙って、室内側の柱間(120ミリのうち50ミリ〜70ミリ)にセルロースを吹き込もうと考えましたが、施工価格がほぼ同じと言うことや、気密が取れると言う事で、発泡ウレタンを50ミリ吹き付けようと検討中です。発泡ウレタンは、アクアフォームというもので、メーカーに確認したところ、50ミリの厚みで(マイナスはなく、プラス10ミリくらいの精度で)吹きつけ可能と言う事です。ただ、柱の吸湿作用を生かすため、吹き付けない(通気層になる)柱の約70ミリ部分には養生(テーピング)が必要ですとのこと。

また、基礎断熱は、当方の設計士さんはステンレス金網を張るターミメッシュの真似をする予定でしたが、玉川さんのパフォームガードやアリダンテープ、シートで検討してみる予定です。いろいろな工法や資材がありますが、こういうものは自分で積極的に情報収集しないと、全く見つかりませんので、そういう意味でも玉川ホームズさんのHPがものすごく役に立ちますし、心強く思えます。(反面、そんなに自社のノウハウを公開してしまっている太っ腹の玉川さんに、頭が下がります)

それから、一つ質問させていただきたいのですが、玉川さんの壁は、柱の外にサーモプライ・断熱材・防水シート・通気層・外壁となっていると思いますが、この防水シートは、断熱材を施工中に紫外線から守る意外に、何か意味があるのでしょうか?

こちらでは、このようなシートを張る工務店と張らない工務店は、半々です。そこで、私はここに屋根に張るのと同じ遮熱シートを張ってもらおうかと考えています。
リフレテックスは、ものすごく高価で厚みもあるので、使わない予定です。

外断熱施工 サーモプライ

余談ですが、私もオール電化には賛成で、ぜひ導入したいのですが、電磁波の問題があります。電気製品には、電磁波は全てあるのですが、特にIHクッキングはどんな物かと思い、ちょうど住宅フェアに電力会社がオール電化のブースを出していましたので、質問してきました。

まず、メーカーの方に聞いたら、「問題になるレベルではありませんよ」と通常の答え。それで、具体的にどの位置でどの位の距離でどんなレベル(強度)かわからないか質問したら「私はセールスで技術屋では無いので」ということで、電力会社の担当者を探してきました。今度は電力会社の社員が、同じように問題ありませんと言うので、「自分で電磁波の測定をして、納得したいのですが測定器は無いのですか」と聞いたら、「電磁波の周波数が違うので、IHの電磁波を測定する機械は何百万円もするから研究室にしかありません。普通の安い測定器では、多く表示されるが、それは間違っています」と。納得できない顔をしてると、絵の書いた表を持ってきて、IHクッキングの電磁波はドライヤーやテレビより少ないでしょと説明。

でも、その絵の中のIHクッキングは30センチ離れていたので、「これはどうして30センチなのですか」と聞いたら、「体全体での電磁波の影響で評価するから、普通にキッチンに立ったとき、IHクッキングから体の中心までの距離が大体30センチです」と、実際に立って説明してくれました。ところが、その表のドライヤーは距離3センチ、テレビは30センチとなっています。それで「テレビなんて30センチで見ないし、ドライヤーも普通10センチ以上離すでしょ、3センチでそれが体の中心までの距離だったら、ドライヤーは頭の中に食い込んでいない?」と聞いたら、驚いて「そんなこと聞く人いませんよ、そんなに心配ならオール電化にしなけりゃいいのではないですか」。とまで言われてしまいました。それで「私は非難したくて言ってるのではなく、オール電化はいいものだから納得して導入したいので、ちゃんと隠さず教えて欲しいと言ってるだけですヨ、アスベストだってあんなに良い物はないと言われてたのが、今では悪の根源になってるでしょ」と。あの説明では、ますます電磁波に対して、不満や不安が募るだけでした。電力会社/フェア会場の担当者が、そんな無責任なレベルだったんで、驚きました。

長々と書きましたが、どうも色々とありがとうございました。また、今後もよろしくお願いします。


【回答】
清志朗 様

こんにちは。玉川です。
詳しいご回答をいただきましてありがとうございます。私も勉強になります。
玉川住宅総合研究所スタッフにも、清志朗さんのメールを転送させてください。彼らも勉強になると思います。

さて、いただきましたご質問について回答いたします。
断熱材の外側にはる「防水シート」(タイベック)についてです。これは「紫外線劣化を防ぐため」のみの役目を期待して使用しています。

実は、大変お恥ずかしい話ですが、6年ほど前までは、防水シートを外側にはっていませんでした。
「サーモプライ(通湿抵抗が高い)と気密テープ」「ポリスチレンフォーム(ボード状断熱材)」が施工されてあるので、それだけで「防湿シートに期待する役目」をすでに備えているから、という理由でした。

ところが、実際に建築現場でみると、ポリスチレンフォームが紫外線によって表面が白くなっていました。紫外線による劣化ですね。
メーカーに問い合わせたところ、「表面数ミリ程度が劣化するだけですから、断熱性能が大きく低下することはありませんよ。」という回答でした。

しかし、表面を指でこすると白い粉がついてくるのです。

確かに、性能面だけから考えるとメーカーの言い分も間違ってはいないのですが、その白い状態をお施主様が見た時、いったいどう思うのでしょうか?

私達とメーカーが、たとえ、「断熱性能は大きく低下しませんよ」とお伝えしたとしても、やはり、ちょっと悲しい気持ちになると思うのです。私ならそう思います。

そこで、性能だけから考えると「過剰反応」かもしれませんが、タイベックシートをはることにしました。

ですから、断熱材表面を保護していない工務店さんもいるのですが、私はそれをとても非難できるような立場にはいません。
ただし、その「軽微な紫外線劣化」を防ぐ工夫はホームページ等でお伝えしています。
それをご覧になった工務店さんも、きっと、同じように対処してくれると信じています。

すみません。愚痴のような話を書いてしまいました(笑)

【参考情報】
外断熱材の外側にある白い紙はなんですか?