読売新聞から「外断熱の地熱住宅」取材をうけました!

読売新聞に地熱住宅が取り上げられました!
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読売新聞2003年9月27日(土曜日)



家庭と暮らし
すまい未来形
自然の空気で冷暖房
夏 床下の冷気で涼しく
冬 太陽の熱でポカポカ
光熱費もおトク


夏場はひんやりとした床下の空気を循環させ、冬は太陽で暖められた空気をファンで取り入れる。自然の「温度」を冷暖房に役立てようという戸建て住宅が注目されている。環境に優しいうえ、光熱費も安く抑えられるメリットがある。

千葉県八千代市に住む島英洋さん(72)は二年前太陽熱や地熱をもっと有効に利用したいと考え、自宅を建替えた。選んだのが柱や壁の外側を断熱材で覆う「外断熱」工法。日本の住宅では、外壁の室内側に断熱材を入れる「内断熱」工法が一般的だが、「外断熱」の方が室温の変化を少なく抑えることができるという。さらに、西日の影響を極力受けないように西側の壁にはガラス窓を設けず、そのほかの窓も二重サッシにして、室内の保湿性を高めた。

一方、冬場に太陽の熱を部屋に取り入れる装置も家の外壁に取り付けた。畳一枚ほどの大きさで、アルミ製のパネルで暖まった外気が送風ファンで室内に入ってくる仕組だ。また、外気に比べて夏は冷たく、冬は暖かい床下の温度を利用するため、部屋と床下の空気を循環させている。床下にはシックハウス症候群を引き起こす可能性のある白アリ駆除剤は使わず、木酢液を塗った。

自宅は木造二階建て(総床面積約百八十平方メートル)で建設費は総額約三千五百万円。島さん宅を手がけた玉川建設(千葉県茂原市)は「外断熱工法など取り入れると、従来型より一割程度高くつくが光熱費が節約できるので長期間住めば差額は縮まります。」と説明する。島さん宅では、真夏でもニ階にあるクーラー一台を除湿運転しておけば、すべての部屋を25度程度に抑えることができる。クーラーの電気代は日中つけっぱなしにしても月三千円程度。高齢者にとってありがたいのは冬場もトイレや風呂場が居間の室温とほぼ同じ温度で保たれること。「年を取ると、急に寒い部屋に入ると倒れたりする心配もあります。住み心地は、住宅の性能次第で思った以上に変わることを実感しました」と島さん。

大手メーカーの旭化成(東京)は昨年七月から戸建て住宅「そらから」を販売している。こちらは住宅の中庭を取り込んだ設計が「売り」で、太陽の温度が低い冬場も多くの日差しが入る。日照時間や住宅内の通風しなどを専用のコンピューターソフトを使って事前に調べ、設計に生かしている。旭化成では「経験的に分かっていた部分もありましたが、季節ごとの日照時間や風通しを数値で表せるため、住む人にも理解しやすいようです」と話している。同様のシミュレーションはミサワホーム(東京)などでも行っている。