特殊基礎断熱の、地中深さは、何cmぐらいが適当なのでしょうか?
【質問】特殊基礎断熱の、地中深さは、何cmぐらいが適当なのでしょうか?
また、基礎部分を下げた場合、たとえば極端な場合として地下室を作った場合には、基礎断熱の深さは異なるのでしょうか?1m程度はする必要があるのでしょうか?
北海道での施工例で、コンクリートにダイレクトにネオマもしくはスタイロフォームを張ったものを見たことがあるのですが、防水やクラック対策の面で不安を感じます。
(回答)
基礎特殊断熱は、建物の外周部からの冷え込みが建物下部に伝導してくるのを防ぐ目的で施工します。本来は、下図の左側のように深さ方向に断熱をしたいところですが、強度の問題から深基礎にしなければならなくなります。一般の深さの基礎で、費用と作業量を抑えた代案として考えられた方法が基礎特殊断熱です。ですから、基礎特殊断熱の深さは垂直方向の基礎外断熱の最深部と言うことになります。(弊社で施工例した例では耐圧盤深さ20cm程度です。)深基礎や地下室などの場合は、地下室の壁(基礎)の深さまで外断熱します。
北海道の施工例を御覧になって「・・・・防水やクラック対策の面で不安を感じます。」ということでしたが、なぜそのようにお感じになったのでしょうか。
弊社では、地中熱を活かした本格的な地下室は実例がありませんが、半地下室は数件施工しました。
半地下室部分の室内側のコンクリート表面には、外部地中からの侵水防止のために防水モルタルの施工をしました。(下図参照)コンクリートの打継ぎ部がある場合は止水材を使用するなどの充分な注意が必要です。
(弊社では一般のベタ基礎でも、耐圧盤の下にポリエチレンフィルムを敷いて、地盤からの湿気の侵入を防止しています。)
また、基礎外断熱はボード状の断熱材を予め基礎型枠に設置し、コンクリートと一体に打ち込む方法ですが、これに防水の効果や強度に対する効果は期待していません。コンクリートのクラック防止(またそこからの浸水防止)には、鉄筋コンクリートそのものの強度と周囲地盤の強度が必要と考えています。(但し、地下室はどのような施工をしても災害時(大地震や豪雨)などに浸水する可能性がないとは言えません。万が一の時の準備はしておく必要があると思います。)
北海道の施工例で基礎にネオマフォームを使用していたそうですが、ネオマフォームは吸水率が高く、土に接する部分に使用すると水分を含み、本来の断熱性能が維持できなくなるので基礎への使用はお勧めできません。ポリスチレンフォームなどの吸水性の低い断熱材を使用されたほうがよいでしょう。