外断熱工法の外壁はずれ落ちませんか?
【御質問】
外断熱工法の外壁はずれ落ちませんか?
かつて外断熱工法は内断熱工法のメーカーから「外壁がずれ落ちる」などと言われました。
それは外断熱工法が発泡系の断熱やわらかい材を挟んで外壁を止めつけなければならないためです。
しかし、外断熱工法では胴縁を径の太い専用のビス(断熱パネルビス)で止めつけます。「外壁材の下がりの許容量を1mm以下」と厳しく計算してみてもかなりの重量の外壁材も大丈夫です。
【断熱パネルビス】P6×120(径4.3mm)(↓)
外壁材の重量: 〜17.2Kg/㎡未満
ビスのピッチ: 300mm
断熱材: 1層張り(50mm)
外壁材の重量: 17.2Kg/㎡〜25.8Kg/㎡未満
ビスのピッチ: 200mm
断熱材: 1層張り(50mm)
外壁材の重量: 25.8Kg/㎡〜34.3Kg/㎡未満
ビスのピッチ: 150mm
断熱材: 1層張り(50mm)
外壁材の重量: 34.3Kg/㎡〜
断熱材: 2層張り(25mm+30mm)
通常のサイディングなどは17Kg/㎡以下ですので全く問題ありません。ビスのピッチを細かくしたり2層張りにすることでで塗壁やタイルなども施工可能です。
【エコホームズでは外壁材のたわみ量の許容範囲を1mm以下としています。】
★外壁材とビスについて★
質問1: ビスのたわみが1mmというのは、外壁材の重量(質量)がいくらのときですか。
回答:
メーターモジュールの場合、ビスの縦ピッチ300mmでは17.2kg/㎡、200mmで25.8kg/㎡、150mmで34.3kg/㎡です。
(2層目は木材と断熱材を使います。)これら、たわみが1mmのときの㎡あたりの外壁重量は、計算により求めています。これ以上重量の場合は断熱材を2層にしています。
質問2: ビスのたわみを減らすため打ち込み間隔を狭めると、ビスが熱橋になります。もちろん、「打ち込んだビスが、たまに間柱を外れ」てやり直せばその部分の断熱性や気密性が低下します。外壁材の固定力や断熱性、施工時の失敗可能性などを色々考慮してビス打ちのピッチを定めていると思います。
回答:
ビスの室内側の端部は木材(柱や間柱)に入っている状態です。室内側に直接露出しませんので結露などの原因にはなりません。
またビスの打ち損じは抜いてもう一度打ち直すようにしています。引き抜いたビスの穴が気密を破るような穴であった場合には気密テープなどで補修します。
また通常の間柱材は幅30mm程度のものが使われていますが、幅45mmを使用してビスの打ち損じを防いでいます。
質問3:そこでお聞きしますが、間柱の間隔は芯間で幾らで
回答:
間柱・柱の間隔はメーターモジュールでは500mm(50cm)尺モジュールでは455mmです。
質問4:同じ間柱上でのビスの間隔は幾らでしょうか。
回答:
縦ピッチはたわみ1mm以内となるように外壁材重量によって、17.2kg/㎡までは300mm、25.8kg/㎡までは200mm、34.3kg/㎡までは150mm、それ以上は断熱材2層張りとしています。(ビスの横ピッチは間柱と柱のピッチと同様です。)
質問5: つくばは地震が多いところで、年に何度も体感します。静荷重の状態でビスのたわみが1mmだとしても、地震や風で建物が揺れ、動荷重が繰り返されるとビスが次第に緩んでくると思われます。建築が専門ではありませんが、工学屋の端くれとしてそう考えます。緩んだところに関東地震や東海地震が来たら、建物が倒壊しないとしても外壁材が剥落するのは間違いないと思いますがいかがでしょうか。
回答:
外壁材の剥落が起きるとすればビスの破断が起きるときと考えられます。
断熱パネルビスのメーカーによるせん断強度試験報告書によればビス2本使用の試供体の破断点は平均2.62kNです。
阪神・淡路大震災の地震規模はマグニチュード7.2 水平833gal(8.3m/s2) 垂直507gal(5.1m/s2)と言われているそうです。
以上から
・阪神・淡路大震災の地震規模で外壁を剥落(ビスを破断)させないようにするためには
水平(2.62kN÷2本)÷8.3m/s2=157.83kg/本
垂直(2.62kN÷2本)÷(5.1+9.8)m/s2=87.92kg/本
300mmピッチで固定の場合は1㎡あたりにビスを約8本使用するので外壁材重量は87.92kg/本×8本=703.36kg/㎡以下
・さらにビスの弾性を保つためには
水平(1.0kN÷2本)÷8.3m/s2=60.24kg/本
垂直(1.0N÷2本)÷(5.1+9.8)m/s2=33.56kg/本
300mmピッチでは1㎡あたりにビスを約8本使用するので外壁材重量は
33.56kg/本×8本=268.48kg/㎡以下
以上より断熱パネル用ビスを使うことでかなりの重量の外壁材でも地震時に剥落を起こさないだろうと考えています。(私達はは17年前から現在までに外張り断熱工法の住宅を700棟近く施工しましたが、外壁材のだれなどのクレームは1件も受けていません。)
★参考までに、「断熱パネルビス」をうっている場面を動画でご紹介しています。下記の画像をクリックしてご覧ください。★
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