【全館暖房:仕切りが無いほど快適になる空間】
みなさんが「高断熱・高気密住宅」を選ぶ理由は、【住宅の中に「急激な温度差」を発生させない】ためですよね。
家の中の急激な温度差によって、
1)ヒートショック(急激な温度差によって倒れます)
2)結露
の問題が発生するわけです。
住宅を建築する会社が「高断熱・高気密住宅の原理原則」をしっかりと把握していれば、外断熱であろうがなかろうが、建物内の温熱環境は安定します。
例えば、下記の図は【外断熱の地熱住宅】のものですが、温度差が少ないのがお分かりになると思います。(外気温マイナス2.9度)
このように、断熱と気密をしっかりとおこなうと「家の中の温度差」が少なくなるのです。
しかし、どんなに高断熱・高気密住宅にしても、上下方向では少し温度差が発生します。2度程度でしょうか。
冬場、2階/階段ホールの天井付近に暖かい空気が溜まります。(実際に測定した結果より)この暖かい空気を床下に送り出すのが、私達が開発した「床下システム」です。
*床下システムの概念図をご覧になるには、こちら(↓)をクリックしてご覧ください。使用電気量も掲載されてあります。
【地熱利用システム】
これが【全館冷暖房】の概念です。
建物をしっかりと高断熱・高気密住宅にすると、非常に少ない冷暖房エネルギーで家全体を調節できます。その際、家の中にできるだけ「仕切りが無い」方が効率が上がります。
例えば、リビングに隣接して「仕切られた部屋」を造るよりは、下記の写真のように「畳コーナー的空間」を作ったほうが全体的に温熱環境が良くなります。
今までは「寒くならないため、仕切りを設置する」のが常識でしたが、高断熱・高気密住宅においては「寒くならないため、開放的な空間にする」のが正しいのです。
そのため、家の間取りを考える場合、【今までの常識】を一度リセットしてもらう必要があります。
例えば、今までの常識では「リビングに吹き抜けを作ると、冬、いくら暖房してもリビングが暖かくならない」のですが、これが逆になります。
子供達が玄関から部屋に直行しないように、階段をリビングアクセス(リビングから階段を上り下りします)にすることが多いのですが、これも今までの住宅では「リビングが暖まらない原因」(暖かい空気が上に逃げてしまうためです)になります。それが【外断熱の地熱住宅】では「暖かくなる要因」になるのです。
高断熱・高気密住宅を検討している方、間取りを考える場合、今までの常識にとらわれていると失敗します。建築会社の方に十分説明を受けてから間取りの作成に入ってください。
追伸:
仕切りが無い方が温熱環境的には良いのですが、その分、デメリットもあります。音の問題です。仕切りが無い分、音が家全体に響きます。