【平屋の間取り】(パート2)

今日、お二人の方から「平屋に関するお問い合わせ」をいただきました。
いただきましたご質問が、まさに「私の価値観」と一緒だったもので、他にお読みの方にも参考になるかと思ったので、私の回答をここに掲載させていただきます。(M様のお考えは、私が考える「理想の住宅」の発想だと思います。そこで、ここに掲載させていただきました。ありがとうございます。)


●M様からいただきましたご質問内容です(↓)

今平屋を計画中です。
30台の夫婦があまり平屋などたてないと、周りから言われています。
老夫婦の建てる平屋ではなく、子供のこと、将来二人になったとき
のことを考えて建てたいとおもっています。
子供にハウスダスト、ダニ、食物アレルギーがあり、そこにこだわ
った家をめざしています。
なにかよいアドバイスあればと思います。


(タマチャンのアドバイスです↓)
・「平屋は理想だよねぇ〜」と私が工務店仲間に話すと、特に都心部で仕事をされている工務店さんは「土地が狭いから、平屋は無理でしょう。」と必ず言います。そうです。平屋は贅沢な建物です。

・私の高校時代の友人(Tくん)は、30代最後に宮崎で家を建てました。
家族4人ですが、平屋です。(25坪程度)彼の家づくりの価値観は素敵です。
「2階に3部屋もいらないよ。あと20年も経てば子供達二人は独立するのだからね。そして夫婦ふたりだけだよ。それから30年は二人で生活するのだからさ。そのことを考えてみたら平屋になったよ。」
「個室をたくさん造る家よりも、家族がぎゅぎゅーと一緒に生活している方が楽しいよ、きっと。だけど、子供達にも最低限【ひとりになれる空間】が必要だからさ、二人一緒の狭い部屋を造ったよ。」

・M様がお考えになる【将来二人になったときのことを考えて建てたい】っていうお気持ちは、私も友人も同じ思いなのです。

そこで、基本的には平屋で建てて、小屋裏(屋根裏)に部屋をつくってみてはいかがですか。下記の写真をご覧ください。

平屋 小屋裏利用

お子様が何人いらっしゃるかわかりませんが、屋根裏部屋をお子様用にして、そして1階部分にご夫婦の寝室をつくってはいかがでしょうか?
将来は、屋根裏部屋を趣味の部屋に利用するか、お子様達がお孫さんと一緒に来た時の「客間」にも使えると思います。

例えば、こんな間取り(↓)はいかがでしょうか?

屋根裏部屋をつくる場合、できれば、屋根は「外断熱」にした方が、屋根裏部屋が暑くなりません。
屋根裏を完全に2階にしてしまうと、このような外観(↓)になります。

平屋 外観

将来二人になったときのことを考えて建てたいとおもっています。
というM様のお考え、私も同感です。素敵なお考えだと思います。30台のご夫婦でも全く問題ないですよね。


さて、次の「子供にハウスダスト、ダニ、食物アレルギーがあり、そこにこだわった家をめざしています。」というお考えですが、「まさに、その通り!」と、私は思わず机をたたいてしまいました!!!

「ハウスダスト」「食物アレルギー」については知見がないので、アドバイスできないのですが、憎たらしいダニについては、ある程度まで「家の建て方」で解決できます。

ダニ発生の大きな原因は「室内の結露⇒カビ⇒カビを餌としてダニが発生する」と言われています。特に、カビが発生する良い条件(?)は【室温25度以上/相対湿度80%程度】だそうです。
そこで、下記の方法で、できるだけ家の中に結露させない家づくりを実現してください。

●高断熱・高気密住宅:家の中に急激な温度差をつくらない⇒結露が少ない
●特に、窓ガラスを「2重サッシ」「ペアガラス」「サッシの枠は、樹脂か木製」が良いです。
●夏場、ガスコンロを使用すると、ガスの燃焼にともない大量の水蒸気が発生します。そして、ガス(炎)がキッチンまわりの温度を上昇させますから、カビの生育に最適な条件になってしまいます。
そこで、IHクッキングヒーターを採用してください。

ただし、住宅の断熱方法をきっちりとおこなわないと、壁の中にカビが発生してしまいます。

「充填断熱=内断熱」(壁の中に断熱材を充填します。)の場合、室内側にきっちりとベーパーバリア(水蒸気を通さない層)を施工しないと、壁の中で結露が発生します。特に、コンセントボックス廻りの施工が重要ですね。
最近では、外壁材と構造材の間に空気が流れる層(通気層)を施工する会社が増えてきましたが、一度、グラスウール(充填断熱で使用される一般的な断熱材です。綿のようなものです。)内で結露してしまうと、なかなかその水分を放出しないようです。下記の写真は、壁の中にある断熱材(グラスウール)の内部でカビが発生している状況です。黒いのがカビです。(↓)

壁体内結露によるカビの発生
(左側の断熱材は、比較のため、新しいものを入れてあります。右側の断熱材が実際に充填されていたものです。右側の断熱材は内部がカビによって黒くなっています。)

比較のため、横に新しい断熱材をおいてあります。
断熱材上部にある「黒い線」は、カビのあとです。
この現象が「壁体内結露」とよばれているものです。これを解決する方法が【外断熱工法】です。

現代の住宅は「結露との戦い」でもあります。
できるだけ【結露】を発生させない家づくりをおこなってくださいね。

ところで、お子様のため「健康的な家造り」を考える上で、どうしても検討しなければいけないことが【シックハウス対策】です。24時間換気は建築基準法で義務づけられていますが、さらに「内装材」にこだわってください。国の規制は最低限でしかありませんから。そして、凄く怖いのが「防蟻処理剤」によるシックハウスです。
*防蟻処理剤に関する問題は、こちら(↓)をご覧ください。
 【シロアリ駆除が危ない!

私達は「液状の炭」を利用しています。写真をご覧ください(↓)

液状の炭による防蟻処理


M様がお考えになっている「家造り」は、現在の「住宅の問題点」を根本的に解決する方向だと思います。
仲間の工務店さん達も、いろいろと勉強しています。
この内容に関するご意見・ご質問がありましたら、ぜひ、ご連絡ください。

最後までお読みいただきましてありがとうございます。
それでは。