【外断熱・高気密住宅のデメリット】

外断熱住宅のデメリット

先日、千葉県館山市で開催された「外断熱住宅勉強会」に講師として招かれたので「外断熱・高気密住宅」についてお話をさせていただきました。

その時、「高断熱・高気密住宅」のメリットをお話させていただきました。
ついでに、調子にのって、【高断熱・高気密住宅】のデメリットもお話いたしました。

勉強会終了後に、参加者の方にアンケートを記入していただいたのですが、その時、貴重なご感想をいただきました(↓)


「今日はメリットのみならず、デメリットも話していただき大変参考になったし、理解できた。私個人としては、今日の話を聞き、断熱材を使ってまで暖かさを求めることはしない家づくりという方向に固まった」

どうも、デメリットを強調しすぎたようですね(笑)

さて、「外断熱・高気密住宅のデメリット」として、当日お伝えした内容は、このような点です(↓)


1)音の問題
家の中で音が響きます。
特に、私達は「2重サッシ」(ペアガラスサッシではなく、サッシが2枚設置されます。下記の写真をクリックしてご覧になってください。)が多いので、外から音がほとんど入ってきません。 その分、家の中が静かになります。
静か〜な中ですから、普通の音でもよく聞こえます。家の中で内緒話はできませんね(笑)

(下記が2重サッシです。画像をクリックすると拡大表示されます。)

2)日射遮蔽をしっかりしないと、夏 暑くなります。
住宅の断熱性能を高めると、家の中の熱が逃げません。冬は良いのですが、逆に、夏は困りますね。
そこで、夏場、特に西日を上手に遮蔽することが重要です。夏、西側から入ってくる太陽光を家の中に入れない工夫が必要です。また、東側に建っている住宅の外壁が白いと、そこから光が反射して家の中に入ってきます。その場合、東側の日射遮蔽も重要です。

日射を遮蔽する場合、基本は「窓の外」で遮蔽します。
「ヨシズ・スダレ」「断熱雨戸」「シャッター」で遮蔽します。また、1階部分でしたら、落葉樹による遮蔽も効果があります。

どうしても、窓の外側で日射遮蔽できない場合、窓の内側(断熱スクリーンやカーテン)で遮蔽します。(効果はおちますが)


3)ジャガイモの芽がすぐ出ます。
ジャガイモ・にんじんなどは、家の中においておくと、冬場でも、すぐに芽が出てしまいます。冬でも暖かいからですね。冷蔵庫で保存してください。


4)過乾燥
冬、外気は乾燥しています。その「低温で乾燥した空気」を「暖かい室内」に、換気システムによってと
りこみます。そこで、室内ではさらに乾燥します。これを防ぐには

「観葉植物をたくさん置く」「室内に洗濯物を干す」「風呂場のドアを開ける」
などの工夫が必要になります。
もしくは、加湿器が必要です。

余談ですが、地中熱利用をおこなう場合、冬、室内温度の設定を低めの温度(18〜20度程度)にしていますから、過乾燥の度合いは低いのですが、それでも、上記のような「住まい方の工夫」は必要になります。

昔からの住宅と違って、「高断熱・高気密住宅」では「住まい方の工夫」が必要になります。
方法によっては、「ちょっと面倒だね!」と思う部分もあります。
自然のエネルギーを上手に取り入れるには、冷暖房コスト(ランニングコスト)が低減できるかわりに、「住まい方」がちょっと面倒になります。

それでも、みなさんは「外断熱・高気密住宅」に住みたいですか?