(メルマガ創刊の主旨について)
「外断熱工法」という断熱工法は、古くは、1980年代には日本でも実績があります。先日、下記のメールを東京在住の方からいただきました。
大変面白い資料をお送りいただきありがとうございます。
地中熱の利用に空気を循環しているだけでは冬の室温など寒いと思います。
カタログの和室でも16℃です。20℃はほしいところです。
やはりヒートポンプの利用が必要と思います。
外張り断熱の断熱材もエコを言うならEPSより木毛繊維断熱材をお使いになった方が良いのでないでしょうか?
外断熱は外国では当然ですが、日本ではやっていませんでした。
拙宅も外断熱で30年住んでいます。たいへん快適です。
まだ改良の余地はあると存じますが、さらなるエコ住宅を供給され世の中に貢献されますことを祈念いたします。冊子ありがとうございました。
実は、けっこう昔から工法としては存在していたのです。
しかし、この2年ほど前までは、ほとんどの「新しく家を建てる人」に認知されていない工法であったため、日本全国でたった5%ほどしか採用する人がいませんでした。
しかし、時代は変わりました。
住宅業界でも「エコポイントの導入」などが始まり、住宅の断熱性能を向上させる動きが活発となり、多くの住宅建築会社が「外断熱工法」を採用するようになってきました。
*正しい名称は【外張り断熱工法】ですが、このメルマガでは一般的な名称である「外断熱工法(もしくは、外断熱)」という表記にいたします。
余談ですが、最近(平成22年10月ごろから、平成23年3月ごろまでの期間)繊維系断熱材(グラスウール)が品薄(品薄どころか、どこの建材店に注文しても、納期が3月ごろだとか・・・)状態でして、お客様の引渡が遅れてしまうため、やむをえず、内断熱(壁の中に繊維系断熱材を充填します)から外断熱に急遽変更した建築会社も多いようです。
そのため、今度は「外断熱用断熱材」が非常に品薄になっています。
(納期が長くなが~くなっております)
そんな流れの中、1990年から「外断熱工法」を採用している当社には、住宅業界関係者だけではなく、一般の方からも多くのご質問をいただくようになりました。
建築業界向けの雑誌や本などで「外断熱工法」について解説されることが増えてきましたが、例えば、基礎の断熱については「基礎の外側」「基礎の内側」「床断熱」などなど様々な意見が混在しています。
外断熱工法の基本は「基礎の外側に断熱する」ことであるにも関わらず、いろいろな方法が紹介されています。
つまり、専門家の集団である住宅業界関係者でさえも、まだまだ「外断熱工法」について異論があるのです。
例えば、先日お電話を頂戴した高橋さんからは下記のご質問をいただきました。(大阪在住の方です)
外断熱の家を建てようと考えています。情報をいろいろと検索していくうちに「理論的には【基礎の外側に断熱するのが正しい】という結論」に達したのですが、地元の建築会社は「基礎は内側に断熱します。これが外断熱として正しい方法です」と、私の要望を聞き入れてくれません。
エコホームズは「基礎の外側に断熱する」と書いていますが、いったい、どちらが正しいのでしょうか?
おそらく、大阪の工務店さんは「基礎の外側に断熱するとシロアリにやられて大変なことになる」という理由で【基礎の内側】を断熱する方式を採用しているのだと思います。
確かに、その認識はほんの数年前までは正しいことでした。
しかし、今は違います。技術は進歩しているのです。
つまり、最新の技術情報を知らないために、「以前は正しい方法」を「今でも正しい方法」と勘違いしているのです。
このメルマガでは、下記の内容を中心に書き進めていこうと考えています。
1)外断熱工法の原理原則について
2)外断熱工法に付随する技術情報について
3)建築業界関係者及びお客様からのご質問とその回答
ですから、このメルマガは下記の方にぜひ読んでいただきたいのです。
1)住宅業界関係者(特に、最近になって外断熱工法を採用された方)
2)営業マン(営業マンがお客様に間違った説明をしていることが多いようです。それを解消してもらうためです)
3)これから家を建てようと考えている方
なお、メルマガの内容だけでは不十分です。
実際に写真などを見て、理解していただくことも必要になります。
そこで、ホームページと連動して、メルマガを発行していくことにいたしました。
今から8年程前に、はじめて「ガイドブック:うわべだけの【外断熱住宅】に騙されるな!」を書き上げました。以来、5000人を超える方にお読みいただいております。その内容を、最新の技術情報にあわせて、全面的に改定します。
メルマガの内容について、ご意見・ご質問等は大歓迎ですので、どんどん、下記のフォームからご連絡ください。
このメルマガを読み終えた時、あなたが「外断熱工法についてはなんでも知っている」方になっていると想定しております。これからもよろしくお願いします。
(次号に続く)